2014.6.25 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan
村は猛暑日。雲も少なく晴天が広がります。標高400mを誇る
あば村にいると、空が近く見えるのは気のせいでしょうか。今は
梅雨の中休みで、ここぞとばかりに村の人が畑に野菜を植えてい
ます。今日は暑い中、一生懸命大豆を植えていたおじいちゃんを
ご紹介します。
暑い日差しの刺す中、家の前に広がる畑で大豆の植え付け作業をし
ていた毅さん。お手伝いしましょうか?と声をかけたら、よろしく
と言われて近寄ってみたら、「あっこの端っこの草取りをお願いし
ますわ。」と一言。大豆は植えさせてくれないのね。なぜか畑の端
と端で大きな声で会話、これもこれで楽しかったです。機会も使わ
ず全部手作業の毅さん。「昔は、鍬で鋤いたり鎌で刈ったり、全部
体一つでやりよったんで。今は機械もあるけどな、私は自分の手し
か信じれんから体一つでやりよるで。」大豆の苗も一つ一つ丁寧に
並べて植えて行く毅さん。ここに百姓の本質があると語ります。
「こうやって外るとな、土の違いや風の違いやらが分かってくるん
じゃ。機械で作業すると効率はええけどなかなかそれが感じられん。
歳取っても感性は磨かにゃな。」今日植えた大豆も一週間したら大
きくなるそうで、来週にまた遊びに行くことが決まりました。多分
その時も僕の仕事は草取りなんだろうな。
一本一本を大切に扱います。
もくもくと植える毅さん。
あば村で生まれ育ち、外に出たことのない毅さん。若い頃には、養
鶏もしておられました。「多い時には2000羽も鶏がおったんで。
卵取ったり、捌いたりして出荷してました。」今はもう田んぼにな
っていますが、家の前の田んぼには大きな鶏小屋があったそうです。
しかし、次第に採算も合わなくなって来て廃業。村の隣、加茂町知
和に勤めておられましたが、退職してから百姓仕事を始めました。
畑や米をして長くなった毅さん、これを上手に都会の人へ体験させ
てあげれないかと考えています。「こんな大豆植えたり、稲植えた
りなんか、上手に街から人を連れて来て体験はさせてあげれんもん
かな。若いうちにこんなことは経験してほしいんです。」田舎では
あたりまえでも、街ではきっと価値のあることだと思う、と自然に
言葉に出て来る毅さん。「田舎はええとこじゃけど、仲間を増やす
ことには何がある。そこは都会の力を借りればええと思う。街に仲
間を作ればコトは大きくなる。」いろんな体験をさせてあげたいと
語る毅さん。村にとって貴重な人財だと感じました。とりあえず僕
にも草取り以外の体験をさせてほしいですが.笑
最後に、毅さんのあば村の自慢は?
別れ際に、ぼーちゃんぼーちゃんと呼んでくれるまで仲良くなりま
した。来週の大豆の育ち具合を見に行くのが楽しみです。
明日もお昼の12時更新
次はどんなお話が聞けるでしょうか、お楽しみに。