第50村人:青山 福夫さん

2014.6.10 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan


 

 

あば村は梅雨の中休みなのか、朝からむしむしした空気が流れています。
今日も自転車を走らせていると、何やら小さな畑で、畦に空いた穴を潰し
ているおじいちゃんを発見。どうやらもぐらが出ているようです。という
訳で、今日はもぐらの穴を一緒に潰しながらお話をきいたこの人をご紹介。

青山 福夫(とみお)さん

 

青山さん

 

 

「いろいろな仕事をしてきた、まさに百姓でしたよ。」

あばで生まれて今年で80年になる福夫さん。それはそれはいろんな仕事を
してここまで来ましたと話し始めました。「私は林業をやりよった。木を切
って運んで。ほんでから、自転車の修理の仕事もしておったんです。5年程
ですけでどね。」当時の交通手段はもっぱら自転車でした。地域でも自転車
修理の名人だと言われていたそうです。「みーんな、自転車に乗って、顔を
合わせて、長話をしよった。」僕も自転車に乗って村を回っています。こう
やっておしゃべりができるのも自転車のおかげ。村でもその記憶はまだ根付
いているようです。それからなんとバスの運転手になったという福夫さん。
「ところがね、バス乗って3年で小さな事故をしたんです。もうこれは、人
を乗せて運転するなということかと思って辞めました笑」のだとか。それか
らは10年間、村の土建業者に勤めて定年退職されました。「村はなんにも
ないけど、やろうと思えばなんでも経験出来るんよ。まさに百姓。百の仕事
ができるんです。」と福夫さん。この話を聞いた後は妙に納得ができました。

 

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福夫さんにはその多彩な経験から獲得して来た資格を使って。
ガソリンスタンドの責任者にもなっていただいております。右から4番目が福夫さん。

「定年後の人生は、もぐらと戦った20年でした。」

様々な仕事を経験した後、農業を始められた福夫さん。その当時から今まで
ウドを作り続けています。「なんかね、ウドを育ててみたくなったんです。
ウドが私を呼んだというか。」とやや独特な表現でウドへの想いを語ります。
定年後から今まで20年。一番苦労したことはこのウド畑ともぐらとの戦い
だったと言います。「ウドは大きな根から生えてくるんだけど、その根をも
ぐらが食い荒らしていくんです。こいつを退治しないとウドをやられてしま
う。大きな溝を掘って水を流したり、罠をかけたりしています。」しかし、
20年やってきて20連敗の福夫さん。次はあの手だこの手だと思考を巡ら
せます。この戦いのおかげか、まだまだ元気な福夫さん。「若いもんには負
けてられんでぇ!」と肩をばしばし叩かれました。痛い。これが田舎の愛情
表現なのかなとか思いつつ、地味にもぐらの穴を潰し続けました。

 

青山さん2
これがウドの根。少し目が生えている部分から大きなウドが生えてきます。

 

 

青山さん3
もぐらの穴を潰す福夫さん。コノヤローと憎しみを込めながら一つ一つ手作業で潰します。

 

 

最後に、福夫さんのあば村の自慢は?

「私は村全部が好きです!楽しい!」

 

やや余談ですが、どうもぼーくんが福夫さんのお孫さんにすごく似てるそうで
僕をみるたびににやにやしてしまうそうです。嬉しいのやらなんなのやら。孫
によろしくの!とまた肩をたたかれました。だから痛いって。

 

明日もお昼の12時更新

次はどんなお話が聞けるでしょうか、お楽しみに。