第38村人:長瀧 安子さん

2014.5.23 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan


 

そろそろ気温も高くなってきましたね。あば村は標高も高く、比較的
涼しい日が多いですが、それでも日中は20℃を超える日も出てきま
した。そんな日は村人も外での仕事を止めて休憩。もっぱら10時頃
になると「たばこたばこ(あば村で休憩するの意味)」と言っています。
今日は、朝から日差しも強く暑い日で、小屋の中で隠れて休憩してい
たおばあちゃんをご紹介します。

 

長瀧 安子(やすこ)さん

 

DSC_0009

 

「静かに暮らすのが好きなんです。」

朝から農作業をしていて、熱いから小屋に逃げ込んで来たという安子さ
ん。疲れた時も天気が悪くなってきた時もとりあえずこの小屋に帰って
きます。「おじいさん(旦那さん)の手作りなんです。ここが一番落ち着
きます」と安子さん。小屋には昔の農機具から子どものおもちゃまでい
ろいろなものが置かれています。ごゃごちゃしていますが、音は静か。
この場所で、自分のペースで休みながら仕事をするのが好きだそうです。
「いろんな人と話をするのもええけど、私はここで静かに暮らして行く
のが好きなんです。」この家へ嫁いで来て、変わりゆくあば村の姿を見
てきました。「村も世代交代で、私たち年寄りはこうやって静かに生き
とかにゃいけん。」という言葉がやけに印象的でした。静かに暮らす中
でも、たまに今日みたいな出会いがある方が良いだろうな。

 

やすこさん

 

 

「居場所があるのは嬉しいことです。」

いつもこの小屋で休憩を取る安子さん。ここが自分に取って一番の居場
所になっていると言います。「安心しておれる場所があるのは幸せです。
家では、娘もおるし家事もせにゃいけんで忙しい。けどこの小屋に来る
とほっと一息つける。」僕も初めて入りましたが(実は始めて会った時は
入れてくれなかった)、田舎の匂いがするというか、どこか落ち着く空気
が流れています。「もう何年もあば村にいますが、この場所と家からの
風景だけは飽きることがありません。」と安子さん。こうやって自分の
居場所があるからこそ安心して長生きができるのですね。
「やれやれ、たばこ(休憩)もしたしもうひと頑張りしますか。」と言いな
がら、曲がった背中を持ち上げて再び畑に戻られました。

 

やすこさん2

 

最後に、安子さんのあば村の自慢は?

「なんども言うけど、静かなことです。」

 

休憩が終わったら、曇りだして、虫もカエルも鳴き止み、本当に静かな空気
が流れていました。たまに小屋にあそびに言ってもいいですか?と聞いたら
「あんたなら来てもええで」と言ってくれました。心を落ち着けたくなったら
お話しに行こう。

 

明日もお昼の12時更新。

次はどんなお話が聞けるでしょうか、お楽しみに。