2014.5.15 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan
あば村の人口は約570人。根っからの地子の方もおられればお嫁に来られた方
もおられれば。若いIターンも数人と、いろんな村人がいます。そんな中、あば村
では珍しく、お婿さんに来られた方に出会いました。ひょんなことがきっかけで
あば村に来ましたが、今では趣味をしながら生活を楽しんでおられるお父さんを
今日はご紹介します。
鳥取県の因幡で生まれた林二さん。若くして家族を連れて大阪へ勤めに出ておら
れました。大阪では左官業に入り、吹田の電車基地で壁を塗っていたそうです。
「当時は、貨物列車に牛が乗せられてきて、三日三晩鳴き続いていました。」と
思い出を語ります。林二さんは、かなり腕が良く、20代にして親方に大切とこ
ろばかり任されるほどでした。日当もたくさんもらって、よく遊びに出かけてい
たそうです。「あれは、大阪万博の前の年でした。次々と豪邸が建っていって、
その分仕事も増えて、楽しかったです。」と。しかし、このまま大阪で生活する
ことになると思いきや、親戚の都合で田舎に帰ってこいと言われました。「私は
最初、何日間か帰るだけかと思ってました。ところがいざ帰ってみたら、明日に
結婚式だと言われ、婿に入ることが決まってました。」と、お嫁さんも既に決ま
っていたそうです。そうして、あば村に嫁いでいた林二さん。村でも大阪時代の
腕を生かして、瓦葺きの仕事をしていました。今は体が悪くなったのと、高齢で
引退しています。「こんなとこに来るとは思わなんだけど、んま来たら都です。」
という言葉がすごく響きました。いろんな形で村に来る人がいるんだな。
今は仕事を辞めた林二さん。平日はあば村の友達と釣りをして過ごしています。
この日も朝から釣りに出かけておられました。「ヒラメ(村の方言 ヤマメのこ
と)がぼちぼち連れました。」と釣果を見せてくれました。途中から雨が降って
きたのと、お友達の釣り竿が折れてしまったので、小屋で休憩。「こうやって
趣味が出来る範囲で村で過ごせることが幸せです。」と林二さん。今は足が悪
くなってしまいましたが、高枝ばさみを持って、邪魔な木の枝を切り、道を開
いて釣ったときは10匹も釣れましたよ!!と自慢げに話してくれました。
本日釣れたヒラメ(ヤマメ)。赤い斑点が美しくて好きだそうです。
最後に、林二さんのあば村の自慢は?
優しい語り口で、昔の思い出や今の趣味のことまでたくさんお話してくれた林
二さん。一緒に釣りしような、と言ってくれました。釣りほとんど未経験の僕
でも着いていけるのでしょうか。
老後の趣味っていいですね。いくつになっても輝ける場所があるあば村になって
いけば素敵だな。
明日もお昼の12時更新
次はどんなお話が聞けるでしょうか、お楽しみに。