第31村人:小椋 秋江さん

2014.5.14 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan


 

 

旧阿波村(あばそん)時代、たくさんの仕事がありました。商店をしたり、民宿
をしたり、土建業をしたり、河原を葺いたり。夫婦で、家族で必死にお金を稼
いでいました。時には岡山県外にも出て行って仕事をしていたそうです。と、
こんな話をしてくれたおばあちゃんを今日はご紹介します。

 

小椋 秋江(あきえ)さん

 

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「旦那の土建業で、いろんなところへ行きました。小旅行みたいに。」

畑の真ん中で山を見つめていた秋江さん。あば村にある小椋建設に隣町の加茂
町から嫁いでこられました。秋江さんの旦那さんのご両親から始められ、今で
は三代目。奥様として様々な苦労を支えてこられました。「私も若い頃は旦那
と一緒に働きに出ていましたよ。」と秋江さん。なんと遠くは岡山を出て広島
県の方までいったこともあるそうです。「広島まで行って、河川の土手の補修
をしたこともあります。若い頃だったので石を担いだり、つるはしを持ったり
たくさん体を使って働きましたよ。」と自慢げに話してくれました。しかし、
今は村にも働く場所がなくなったことを少し寂しく思っています。「働くとい
っても、うちみたいな土建業しかないでしょう?昔はいろんな仕事があって村
も賑やかでした。」百姓をして田舎で暮らすのも一つですが、もっと違う仕事
も村に現れてくることが将来にとって必要なこと。そう感じました。

 

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「動くのが好き、晴れの日は毎日歩いています。」

上に書いたように、若い頃は旦那さんとともに体を使って働いてきた秋江さん。
今も体を動かすことが大好きです。「晴れたときには、大杉(あば村の一番奥に
ある部落)まで歩いて帰ってきます。」いつでも体を動かしていないと落ち着か
ないようです。今も昔も体を使ってきたおかげか、90歳近いご老体ですが背
筋もしっかり、足腰も強いです。「若いもんに手を取られまい(支えてもらわな
いように)と必死なんです。」歩き終わったら裏の畑に出て、草取りの仕事。畑
は息子さん夫婦にお任せしていますが、脇の草取りは秋江さんがやります。ぼ
ちぼちと無理なく体を動かすことが生き甲斐だと言います。「家に籠っていて
も何も始まらないですよ。」最近、若い人も家に籠りがちな人が多いですね。
外にでたらこうやってあなたとの出会いもあったしね。またおいでなさい。と
笑顔で手を振ってくれました。

 

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散歩から帰ってすぐに草取り。元気な90歳です。

 

最後に、秋江さんのあば村の自慢は?

「この山々を見ていたら落ち着くことです。」

 

そう言って一緒に家越しに見える山を見つめていました。

 

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明日もお昼の12時更新。

次はどんなお話が聞けるでしょうか、お楽しみに。