第33村人:小椋 國弘さん。

2014.5.16 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan


 

今年であば村は、津山市への合併10年目を迎えます。そんな中、もう一度みん
なの手で村作りをしていこうじゃないか!という想いを込めて。合併から10年、
いま再び村が始まる。『あば村宣言』を発表して、地域づくりに勤しんでいます。
村の中には、旧「阿波村(あばそん)」時代のことを懐かしむ人の姿がたくさん見ら
れます。今日はそんな中から、合併までずっと阿波村役場に勤めておられたお父
さんをご紹介します。

小椋 國弘(くにひろ)さん

 

くにひろさん3

「役場の勤めで山に入っていました。」

あば生まれあば育ちの國弘さん。合併して阿波村役場がなくなるまではずっと、
役場に勤めておられました。役場に入った当初は、山仕事関係の部署に配属さ
れたそうです。「大きな鎌を担いで、歩いて山に上がり、草刈りをやりました」
と、まだ機械がなかった当時の仕事の様子を話します。「植林して、木を育て
ることが村の財産になりました。何十年か前までは、十町歩の木で一年分の村
の財政が賄えるほどでした。」今は、木もすっかり安くなってしまって山も寂
しくなってしまいましたと呟いていました。木を植えてから何年かは、雑草に
負けないように草を刈り取らなければいけません。あば村は村有林がとても多
い地域なので、役場の仕事もたくさんあったそうです。若い人が、再び國弘さ
んの家の前を、山に向かって入っていく姿が見えたら嬉しいですね。とお話し
ました。

 

くにひろさん
寂しくなった。と呟きながら家の前の山を眺めていました。

 

「役場の採用数が減って、退職しました。今は百姓しています。」

木が安くなってきたと同時に、あば村の合併の話が出てきました。いざ合併す
ると決まった時には役場もとても忙しかったそうです。「合併する時に、土地
の持ち主をしっかりさせないといけんので、あば村全域を国土調査しました。」
國弘さんは、役場も統合する直前まで勤めておられました。しかし、役場が統
合して、採用の人数も削減された関係で長年続けてきた仕事を退職されました。
「クビにはなりましたが、村のために一生懸命働いてきました。」と誇らしげ
に話します。退職してからは、同じく続けていた百姓をしながら、空いた時間
には友人と釣りに出かけます。出会った日も、作日紹介した小椋林二さんと釣
りを楽しんでおられました。農業をしながら、趣味をしながら。役場勤めの時
とは違った時間の流れの中で生活しておられます。「この人(林二さん)はまだ
まだ私のお師匠様です。」と冗談を言いながら、あば村で退職後を楽しんでお
られました。

 

くにひろさん2
仲良しの林二さんと釣り。雨が降って来たので國弘さんのお家の小屋で雨宿りです。

 

最後に、國弘さんのあば村の自慢は?

「なんにもないことかねぇ。」

 

「んま、頑張りなされ。」と最後に応援してくれました、嬉しい。自分のことは本当に口下手だけど、村の話になると、とにかく自分の想いを熱弁
してくれました。役場に長いこと勤められて、たくさんの村の姿を見てきたから
こそ出て来る言葉なんだろうな、と思いました。今度一緒に釣りしに行こう。

 

次の更新は、土日を超えて5月19日(月)

お昼の12時更新です。
どんなお話が聞けるでしょうか?お楽しみに。