第94村人:石原簑千代さん

2014.11.13 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan


 

歩けばそこに高齢者がおられるあば村ですが、一人一人が元気な方がとても多い
ので、出会うたびにぼーくんも元気をもらえます。先日、あば村の西谷地区を歩
いていました。坂が多いこの地区は歩いているだけでもへとへとになり、もう帰
ろうかと思った矢先に一人のおばあちゃんに出会いました。お話をしていると、
やっぱりお互い笑顔になってきます。今日はそんなぼーくんを元気にしてくれた
話を聞いてください。

 

石原 簑千代(みちよ)さん

 

石原さん1

 

「ひとは一人で生きていけんので。お互い助け合いましょう。」

西谷地区にお住いの簑千代さん。自宅前で洗濯物を干しているところにたまたま
お会いしました。坂を登りきった一番上にあるお家、へとへとになったぼーくん
に、「まあ座っていきなさいな。」と声をかけてくれました。玄関に腰をかけて
簑千代さんが人生で感じてきたことを語り始めました。「私がここにお嫁に来た
時には、戦争が終わって日本中苦しい時でした。なので私はこの山の中へ、米と
野菜を作っているところへ嫁いできたんです。まるで田んぼと結婚したようなも
んですわ。」日本中苦しい中でも、食べ物が自給できるあば村は嫁ぎ先としてと
ても有名だったそうです。
「ここ(あば村)に来てからは毎日、日が暮れてくると故郷の両親を思い出して
涙が出てきました。それでも、やっぱり結婚してよかったと思います。私もここ
で生きる役割をもたせてもらえました。」実は、何十年ほど前に簑千代さんの家
で民泊をしていたそうです。たくさんの小学生たちがやってきて寝泊りをしてい
ました。「あの時は楽しかったよ。あば村にたっくさんの子供が来てくれとった。
先生も熱心な方でね、小さい時の苦労は将来必ず役に立つからとことん苦労をさ
せるんです。おかげで子供も帰ってきたら泥んこだし、お家の中も大変なことに
なるんですよ。」この西谷地区は夏も涼しく、冬はスキー場もあったので絶え間
なくお客さんがやってきていました。「良い人にもたくさん会えたよ。あれは本
当に良い思い出です。」

 

「今年で米寿(88歳)になるのですが、長男から祝いの品が届いたんです。嬉
しい限りです。優しい息子に恵まれました。旦那はもう10年前に亡くなったけ
ど、今思ったらあの人がいなかったら私もこんなに長生きしなかったかもしれな
い。」長生きして、本当に分かったことは人は一人では生きていけないというこ
とだそうです。「私は本当に優しい人に恵まれました。最初はこんなとこに来て
しまったと毎晩泣きましたけど、やっぱりここに来たから出会えた人もたくさん
いるんだなと、今になって思います。」だからぼーくんにも会えたね!!と言う
と優しく笑ってくれました。出会ったお礼にと、今日の朝ついたよもぎ餅をいた
だきました。やっぱり美味しいものをいただけると元気がでてくる!!けど、そ
れだけではない温かみを感じたお餅でした。

 

 

石原さん3

 

 

最後に、簑千代さんのあば村の自慢は?

「自慢かね?来てみたらわかるでしょう、ここの良さに。」

 

今は息子さんと二人で暮らす簑千代さん。「ここから見える紅葉が、今の私の心の支
えなんです。」と教えてくれました。今朝、僕も綺麗な紅葉を見て、石原さんを思い
出して元気が出てきましたよ。

 

 

 

 

石原さん2

次の更新は11月17日(月)の予定です。
気温の変化が大きくなってきて、ぼーくんの周りでも風邪が流行っています。
みなさん体調管理に気をつけて素敵な週末をお過ごし下さい。

次はどんな人に会えるでしょうか?お楽しみに。