2014.8.15 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan
お祭りも終わり、いつもの静かさとなったあば村。本日15日は終戦
記念日ですね。村では正午に黙祷のサイレンが鳴らされます。今朝、
早く目が覚めたので村を歩いていると。空を眺めて目を閉じているお
じいちゃんがいました。ふと声をかけると、戦争当時のことを思い出
していたそうです。ちょっと変わった出会い方をした、素敵な男性を
今日はご紹介します。
家の前で一人たたずんでいた信之さん。小柄ですが、しっかりとした
足腰に筋肉の浮き出た腕。何の仕事をしていたんですか?と聞くと、
「わしは山師だ。」と言って語り始めました。「山の仕事一筋で生き
てきました。辛いこともたくさんあったけど、いい仕事でした。根気
はいるが、感動が大きい。」あば村生まれで、一度も村外に出たこと
がないそうです。昔は、村にいたらとりあえず山に入らされていたそ
うで。「わしみたいに頭が悪いやつわな、とりあえず親父と山へ行っ
て仕事を覚えさせられよった。畑や米も一緒。自分で選んだ仕事では
ないんですけど、なぜか夢中になってします。山って言うのは不思議
な場所ですよ。」家の前に建てられた駐車小屋も信之さんのお手製。
「この木もわしが切って建てたんで。」と照れながら話す姿がなんと
も可愛かったです。
ゆっくりと戦争時代の話を始めた信之さん。「こんな田舎じゃけ、まず
狙われることはなかったけど、一番つらかったのはやっぱり地域の人が
どんどん兵隊へ出て行ったことですね。」何度別れを悲しんだか、たく
さんの方が殉職されました。「けどね、村で生きれないことはなかった
んですよ。百姓をしよったでな、芋や野菜やら食べ物には困らんかった。
時にはみんなで集まって炊き出しして、寂しさを紛らわせたりもした。
村の団結力が強かった証じゃ。」さらには鳥取からの物流もあったそう
です。「智頭の方から、魚を籠に入れて担いでこられとったんで。ちょ
うどあの山の方向からだったかな。これは貴重だった。だけん今でも鳥
取とは交流があるけぇのう。」過酷な戦争時代も、みんなで協力して生
きてきたんですね。田舎のみんなで生きる力は本当に素晴らしい。
最後に信之さんのあば村の自慢は?
笑顔が素敵で明るいおじいちゃんですが、苦労と努力がたくさん詰まったお話
をしてくれました。戦争経験なんて信じられないけど、やっぱり経験しなくて
もいいことですね。と二人でうなずく。話の続きは酒を飲みながらですね。
お盆は明けましたが、明日から週末ですね。まだお休みの方が多いのではないで
しょうか?ぼーくんも17日の休みに京都へ帰省する予定です。
次の一日一人は
8月18日(月)の予定です。
取材が思うように行かず、更新がまばらになってしまい申し訳ございません。
少しでも早く、素敵な村人の姿を皆さんにお伝えするよう努力して行きます。
それでは来週お会いしましょう。良い週末を。