第40村人:片山 尊宣さん

2014.5.29 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan


 

二地域居住という言葉があります。主に、都会と田舎の2カ所に生活
拠点を置いて生活することを指します。最近増えて来ている生活様式
ですが、それを高齢者にして行っている人があば村におられます。生
まれ育ったあば村を大切にして行きたいと語る男性をご紹介。

 

片山 尊宣(たかのり)さん

 

片山さん

 

「津山へ婿に出ましたが、故郷のあば村は忘れられません。」

あば村で生まれ育った尊宣さんですが、婿に行かれて今は津山市内で
家を持ち、生活しておられます。長い間、会社に勤められてあば村と
はすっかり疎遠になっていました。「それは、実家に顔出したりはし
ましたけど、部落の集まりや祭りにはそんなに行かなかったんです。」
子どもも生まれ、仕事も忙しくなり、人並みの幸せな生活ができてい
たそうです。しかし心の中でどこかあば村のことが気になっていたそ
うです。「それは、私を育ててくれた村です。冬の時には北の空を見
て黒い雲がかかっていたら、今日は(あば村は)大雪なのかなと考えた
り。」津山に出たばかりのころは、村に帰りたいと考えた夜もあった
そうです。それでも、当時の村には仕事がなく、生活のためには婿に
行かなければなりませんでした。相当な葛藤と覚悟があったのだろうな。

 

片山さん3

 

「今は津山から通いの生活。村は静かでええ。」

津山市内で生活していた尊宣さん。今はあば村に週3日ほど通いの生
活をしておられます。きかっけは尊宣さんのご両親が体を悪くされた
こと。自分が育った家の存続の危機を始めて感じたと言います。「今
まではなんとかなってきたが、いよいよ自分の家が続かなくなりそう
で心配になりました。」そこで、自身が村へ通い家に風を通して、草
刈りをして手入れをし始めました。今ではこの生活が楽しくなり。近
くにある畑で野菜も作り始めています。「やっぱり静かで空気も綺麗
で、田舎の生活もええもんです。土も気兼ねなく触れるのは田舎だけ。」
こうして作った野菜を津山に持っていって、知り合いに配ります。
「村には長いこと関わってなかったが、なんとか自分のできることだ
けはやろう、そう考えています。」と語る尊宣さん。自分らしく、意
志を持って二地域居住を楽しんでおられました。

 

片山さん2
楽しみの畑を触る尊宣さん。

 

最後に、尊宣さんのあば村の自慢は?

「ひどおええことないけど、なんでか帰りたくなるんです。」

 

尊宣さんと会った日は農繁期で一週間滞在しておられました。そしてまた
しばらくは津山市内へ戻るそうです。また村に来た時は一緒にお酒を飲む
約束をしてお別れしました。

 

明日もお昼の12時更新
次はどんなお話が聞けるでしょうか、お楽しみに。