第28村人:長瀧 美津子さん

2014.5.9 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan


 

新緑のあば村、と良く言います。本当に見渡す限り緑色で、田植えも始まり
田んぼにも緑が映えてきました。しかし、緑が生えすぎるのも村人にとって
は困ることで、日夜雑草と格闘しています。今日は、朝散歩をしていたら鎌
を持って草刈りに出ようとしていたおばあちゃんをご紹介。

 

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長瀧 美津子(みつこ)さん

 

「まぁ、ぼちぼち、ぼちぼちです。」

美津子さんにであった前日、あば村では少し雨が降りました。久しぶりの雨
だったので草にとっては嬉しかったのか、幾分青々としていました。その草
をここぞとばかり刈りに出た美津子さん。「雨が止んだおりに刈らないと、
草が溝に詰まったら家まで水が流れてくるんです。」だとか。道具は昔から
愛用している鎌です。切れなくなったら研いで、大切につかってきました。
そして腰には虫除けの蚊取り線香。完璧に田舎のおばあちゃんスタイルを貫
いています。「私はこのやり方しか知りません。機械なんぞ分からん。」と
話す美津子さん。生まれも育ちもあば村、ずっと草と戦い続けてきました。
「ここまで来ると、草の生命力には感心します。私もこんな風に長くしぶと
く生きて行きたいです。」今も昔も草は変わらないけど、村の景色は変わっ
てしもうた、と懐かしそうに話していました。

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腰にぶら下げた蚊取り線香が可愛い。

「村の時代は良かった。木を上手に使えたらなぁ。」

先ほど話したように、美津子さんはあば生まれあば育ち。もちろん合併する
前の『阿波村(あばそん)』時代も知っておられます。当時はまだ村にお金があ
ったそうです。「あばは山を持っている人がたくさんおって、比較的裕福で
した。」と美津子さん。阿波村時代にあった老人クラブで行われた敬老会で
も、とっても良い物を送られていたそうです。「今となっては、祝われる側
になりましたが、自分の弁当代も持ち寄りになって。木が安くなったから金
もなくなったんでしょう。」その山に置いてある木を、どうにかして上手に
使えたらと考えています。「例えば、木で売るんじゃなくて、まな板なんか
にして簡単に加工したらいいんじゃないかな?そこらのアイデアは若いもん
の方が上手でしょ。」と言いながらまた黙々と草を刈りだしました。別れ際
に、あば村でも行っている『木の駅プロジェクト』のことを話したら、村で
も若い人たちが頑張ってくれよるんじゃな。と黙々と草刈りをしながら。
美津子さんも素敵にできることを精一杯やっておられました。

 

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最後に、美津子さんのあば村の自慢は?

「自慢なんてないけど、割合ええとこです。」

 

しかし、田舎の草対策はどこも同じ課題ですね。こうやって粛々と日常的に
草刈りをするおばあちゃんの姿をみて、本当に感心しました。

 

もう週末ですね。GWがあったので曜日感覚が混乱してます。
明日明後日は休日なのでお休み。
次の更新は5月12日(月) お昼12時です。
次はどんなお話が聞けるでしょうか、お楽しみに。