2014.5.8 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan
あば村では、地元で生まれて育った人のことを『地子』(ぢご)と言い、75歳を超えた
人のことを『昔人』(むかしびと)と言うようです。後期高齢者なんて言わないところが
田舎流のオシャレなのかなとか思っています。しかしあば村の昔人は元気な人が多いで
す。今日はたまたま出会って、この『昔人』という言葉を教えてくれたあばあちゃんを
ご紹介します。
「先日の5月3日で85歳を迎えました!」と出会って開口一番教えてくれた千代子
さん。85歳には見えない力強い足取りで墓の前の草刈りをしていました。だいたい
は刈り払い機で行うのですが、端っこの方は長年愛用している鎌で草刈りをします。
「昔はこうやって全部手でやっていましたからねぇ、私はこっちの作業の方が楽しい
んです。」と千代子さん。草を入れる籠は、なんと千代子さんがあば村へ嫁いで来る
前からあったものです。亡くなられた旦那さんが、檜の枝で作ったものを、修理しな
がら大切に使っています。「この籠がいっぱいになったら今日の作業は終わりって、
自分で決めながらやってます。」とのんびり作業。「私は昔人ですから、鎌だって籠
だって、食べ物も、昔のまんまで満足なんです。」と話す千代子さん。何も変わらな
いあば村のことも自然と気に入っておられました。
千代子さん自慢の籠。これがいっぱいになったら作業もおしまいです。
千代子さんも含めてですが、元気な昔人が多いあば村。長生きの秘訣は何かを聞いて
みたら「そもそもあば村に住んでること自体が秘訣です。」と千代子さん。村にいた
ら、自然とやるとこが出来て、それをやるためには嫌でも生き続ければならないんだ
そうです。凄い。そして、家から見える景色も長生きの秘訣だと言います。「墓の横
にあるぼたんの花がもうすぐ咲きます。これが楽しみ。夏には田んぼの緑が、秋には
紅葉が。季節の色の変化を見るのが楽しみです。毎年、来年も見よう!と思って長生
きしています。」四季を肌で感じながら、身体を動かして仕事をする。道具も昔のま
まで、自分の手で丁寧に作業する。若い人の理想の田舎生活を営んでいる千代子さん。
「別に無理に昔の暮らしをやろうとせんでいい。自分の出来る範囲で、やれるとこだ
け、それがあば村で生きる秘訣。」自らも80年以上実践されてきたことです。
最後には一緒に田舎暮らしを楽しみましょうと言われました。何よりも千代子さんが
純粋に生活を楽しんでおられるんだろうな。とっても素敵な姿を見せてもらいました。
最後に、千代子さんのあば村の自慢は?
籠がいっぱいになるまであと半分。もうぼちぼち頑張りますかと言って再び作業を始め
られました。時間にしばられない『昔人』らしさを教えてくれました。
明日もお昼の12時更新
次はどんなお話が聞けるでしょか、お楽しみに。