11月3日は八幡神社の花祭りです。

2014.11.1 【あばのコト】 投稿者:bo-kun_chan


 

 

こんにちは。11月になりましたね。

 

11月になると村は慌ただしくなってきます。それもそのはず、11月3日には年に一度の大祭

『八幡神社の花祭り』が行われるからです。

 

岡山県指定重要無形民族文化財にも選ばれているこの祭りは、あば村8つの自治会がそれぞれ
に『花』と呼ばれるみこしを作り、参拝道でぶつけ合いながら歩くという言わば喧嘩祭りです。

 

先週、ぼーくんの住む大畑自治会でも花造りが行われたのでその時の様子を紹介します。

 

 

花作り1

 

朝早くから集まる村人たち。集合時間は朝の8時。寒いので火を焚いて暖を取ります。
今日は八幡神社の花祭りで使う『花』を造る日。地区の人が総出で、1日かけての大仕
事です。

 

 

 

花作り2

女性も朝早くから集合して、それぞれの仕事に分かれて花を造っていきます。

 

 

 

 

花作り3

丁寧に紙を折っていき、飾りを作っていきます。女性は屋内で、繊細な仕事の担当です。

 

 

 

花作り7

花祭りの『花』には『さくら』と『やなぎ』の2種類があり、自治会によって作るものが
違います。大畑地区はやなぎを作っていくそうです。先ほど丁寧に折った紙に切れ込みを
入れて巻いていきます。そして、染め粉と呼ばれる染料を使って色を付けていきます。

 

 

 

花作り8

綺麗に染められ、天日干しされる染められた紙。

 

 

花作り10

色は必ず先の方から、緑・赤・黄色の順
と決まっています。それぞれの色が葉・花・つぼみの色を表しているそうです。

 

 

花作り11

 

これを、細く裂かれた竹に一つずつ巻いていきます。巻いていくと髪が開いて、まるでやなぎ
の枝に見えることから『やなぎ』という名がつきました。

 

 

 

花作り12

これを全部で88本作ります。作られた花は祭りの当日まで大切に保管されます。

 

 

 

花作り4

 

さて、外では男性が竹を使って『みこし』の部分を作っていきます。

 

 

花作り5

みなさん簡単に竹を割っていかれますが、これがすごく難しい。昔から『木は先から、竹は
エボから』という言葉があり、竹は根元から切るとまっすぐ裂けていくと教えてくれました。

 

 

花作り6

削った竹を薄く薄く、皮だけを残すように削って『竹ひご』を作っていきます。

 

 

 

花作り9

『簡単じゃでこんなもんは〜』と言いながら竹ひごをつくるじーちゃんの手はもはや神技です。

 

 

 

花作り13

神技によって作られた竹ひごを使って、今度は『竹籠』を編んでいきます。
みこしのてっぺんに付く『親籠』をひとつ、その横に付く『袖籠』を二つ。合計3つの籠を編んで
いきます。

 

 

花作り22

籠の編み方もたくさんあるらしいですが、これは『六角編み』という編み方です。

 

 

 

花作り23

綺麗な六角形が規則正しく並びます。「わしのおじいさんが教えてくれたんですけど。もう手が
勝手に動くから言葉ではうまく説明できません。」とのこと。この花造りもすべて、みなさんが
先代から学んだことを伝え・守ってこられたから今でも祭りが続けられるんですね。

 

 

 

花作り24

竹籠が綺麗に編み上がりました。

 

 

 

 

花作り26

さて、ぼーくんも飾り作りにチャレンジです。さきほど作っていた袖籠に刺す飾りで『風車』
というものを教えちゃる!!とおっちゃんが言ってくれたので作ってみました。

 

 

 

花作り16

4本の竹を使って編んでいくそうです。「下駄に重ねなさい。」と言われましたが、もうすでに
分からない…

 

 

 

花作り17

そして、手前の竹から順番に指にかけていきます。「一番・二番としっかり覚えとよ!!」と言わ
れるもどれが一番かも分からない。

 

 

 

花作り18

なんとなく形になってきました。

 

 

 

花作り19

そしてこれが完成品。美しく編まれた竹は、本当に棒に刺すだけで風を受けて回るそうです。

 

ぼーくんも4時間ほど格闘しましたが、使える風車は完成せず…悔しい。

 

 

 

花作り20

中では、女性が袖籠に飾る花を綺麗に作っておられました。

 

 

 

花作り21

生花のように美しく作られた花。この細かい部分の出来が全体の花を美しくさせるらしいです。

 

 

 

花作り25

完成した飾りは祭り当日まで床の間で大切に保管されます。

 

 

 

 

これで全ての素材が出来上がりました。あとは明後日の本番で全部を組み上げて『花』
の完成です。

見ていると、いろんな場所に細かい技がちりばめられており、この花造りを地区のみなさんが
手で守って来られたのが感じられました。

 

村人も「この花祭りだけは絶対に残していきたい。」と、この伝統に誇りを持っておられます。

 

 

 

そんな花祭り、11月3日の正午過ぎから行われます。
岡山県指定重要無形民俗文化財に選ばれている貴重なお祭り。年に一回だけですので
これを見にあば村へ足を運んでみませんか?

 

お待ちしております。