第72村人:倉持 房子さん

2014.7.14 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan


 

台風すぎて、雨が止んだあば村にごそごそと村人が外
出てきました。水をたくさん吸って伸びた草を刈ったり
側溝に詰まった草を取ったり、蒸し暑い中やれやれと言
いながら仕事をしておられます。そんな村を歩いている
と、井戸端会議をしているおばあちゃんたちを見つけま
した。なんかいつの間にか餅つき自慢をされていたので
紹介しようと思います。

倉持 房子(ふさこ)さん

 

 

さちよさん

 

 

「長いこと餅をついてきたんで、多い時は2俵もついた。」

蒸し暑い中、作業の休憩中なのか道の端っこでたばこ(あば
で休憩を表す方言)をしていたふさこさん。近所のお姉さん、
と言っても90歳近いおばあちゃんと昔話をしておられま
した。ぼーくんも早速参加。「おー。しんどいけんここで
休んでいきなさい。」と優しく声をかけてくれて、相変わ
らず村の優しさに感動しています。「私はずっと餅をつい
ていました。多い時は2俵もついたことがある。ついたら
若い人が岡山(市内)の方へ持って行って、売ってくれたんで
す。名前は忘れたけど。笑」昔はどこの家庭でも餅をつい
ていました。今はほとんど見られなくなった光景ですが、
大切にしていきたい日本の文化です。「私はもう引退した
けど、後継者が出て来て欲しいです。もう年寄りばっかだ
とかなわん。」餅をつきたい人、絶賛募集中です。

 

DSC_0748

すっごい自慢して来た房子さんが格好良かった。

 

 

「来年には役場も小さくなる予定だし、不安ばかりです。」

餅つきの後継者もですが、これからの村が不安だという房
子さん。その理由を聞きました。「来年には、阿波支所も
出張所になるかもしれない。合併で特別に出ているお金も
切れて行く。そうなったら村がどうなっていくんだろうか
想像もつかないんです。」高齢者ばかりになっていくあば
村の先が見えないと言います。それでも私たちは一生懸命
に生きていかないとダメだよね、なぜかこんなとこで誓い
を立てました。ですが、確実に村の人の不安は高まってい
ます。それでも素敵だと感じたのは、いつでもどこでもす
ぐに野菜をくれるとこ。今日は房子さんからえんどうを貰
いました。高いところに生えているのを一生懸命取る姿が
可愛い。「こんなもんしかあげれんけどな、すんませんな。
これからも頑張ってください。」と房子さん。不安はある
けど、村の暖かさはまだまだ消えていませんでした。

 

さちよさん3 えんどう豆を取りにずんずん奥へいく房子さん。見えなくなる。

 

最後に、房子さんのあば村の自慢は?

「ええとこなんて何もないで笑」

そんなこと言いながら笑顔で話をしてくれたおばあちゃん。
エンドウ豆はそのまま食べたら一番美味しいと言われて
生でかじったら凄く苦かった。その姿を見て「あんたそんな
ことも知らんのか!湯がさにゃいけんじゃろ!!」と笑われ
た。いや、そのままが美味しいっていったじゃん。

 

明日もお昼の12時更新、次はどんなお話が聞けるでしょうか。