2014.5.14 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan
旧阿波村(あばそん)時代、たくさんの仕事がありました。商店をしたり、民宿
をしたり、土建業をしたり、河原を葺いたり。夫婦で、家族で必死にお金を稼
いでいました。時には岡山県外にも出て行って仕事をしていたそうです。と、
こんな話をしてくれたおばあちゃんを今日はご紹介します。
畑の真ん中で山を見つめていた秋江さん。あば村にある小椋建設に隣町の加茂
町から嫁いでこられました。秋江さんの旦那さんのご両親から始められ、今で
は三代目。奥様として様々な苦労を支えてこられました。「私も若い頃は旦那
と一緒に働きに出ていましたよ。」と秋江さん。なんと遠くは岡山を出て広島
県の方までいったこともあるそうです。「広島まで行って、河川の土手の補修
をしたこともあります。若い頃だったので石を担いだり、つるはしを持ったり
たくさん体を使って働きましたよ。」と自慢げに話してくれました。しかし、
今は村にも働く場所がなくなったことを少し寂しく思っています。「働くとい
っても、うちみたいな土建業しかないでしょう?昔はいろんな仕事があって村
も賑やかでした。」百姓をして田舎で暮らすのも一つですが、もっと違う仕事
も村に現れてくることが将来にとって必要なこと。そう感じました。
上に書いたように、若い頃は旦那さんとともに体を使って働いてきた秋江さん。
今も体を動かすことが大好きです。「晴れたときには、大杉(あば村の一番奥に
ある部落)まで歩いて帰ってきます。」いつでも体を動かしていないと落ち着か
ないようです。今も昔も体を使ってきたおかげか、90歳近いご老体ですが背
筋もしっかり、足腰も強いです。「若いもんに手を取られまい(支えてもらわな
いように)と必死なんです。」歩き終わったら裏の畑に出て、草取りの仕事。畑
は息子さん夫婦にお任せしていますが、脇の草取りは秋江さんがやります。ぼ
ちぼちと無理なく体を動かすことが生き甲斐だと言います。「家に籠っていて
も何も始まらないですよ。」最近、若い人も家に籠りがちな人が多いですね。
外にでたらこうやってあなたとの出会いもあったしね。またおいでなさい。と
笑顔で手を振ってくれました。
散歩から帰ってすぐに草取り。元気な90歳です。
最後に、秋江さんのあば村の自慢は?
そう言って一緒に家越しに見える山を見つめていました。
明日もお昼の12時更新。
次はどんなお話が聞けるでしょうか、お楽しみに。