第29村人:高矢 いとさん

2014.5.12 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan


 

ここ二日間の土日、世間では休日でよく晴れて、絶好のお出かけ日和だった
かもしれませんね。あば村も快晴が続きましたが、農家さん達はここぞとば
かりに働き時です。夫婦で男性は田んぼに入って田植えを、女性はあぜから
見守る微笑ましい風景が各地で見られました。そんな昼下がり、作業が一段
落して家の前に流れる水で苗箱を洗っていたおばあちゃんに出会いました。

 

高谷 いとさん

 

DSC_0320

 

「もう90歳になりました。少しずつ生きてきましたよ。」

いい感じに腰を曲げて苗箱を洗っていたいとさん。なんと今年で90歳を迎え
られます。「この90年、村で過ごして。長かったような、短かったようなで
す。」これまで、ひたすら自分の体をつかって仕事をされてきたそうです。山
に上がったり、田植えをしたり、トウモロコシを作ったりと。この歳になって
も旦那さんと二人三脚で仕事を続けてます。「まぁ、なんにしても続けるのが
えらい(しんどい)ことです。えらいえらい言いながらここまでやってきました」
おかげで今でも健康で外にでることが出来ます。「年取るごとに、出来ること
は少なくなってきましたけど、できることを少しずつして生きています。」と
いとさん。苗箱も昔は一気にたくさん持ちよったけどな〜、とつぶやきながら
ゆっくりと仕事をしておられました。

 

DSC_0321
それでも苗箱を5つも持ちます。力強い。

「百姓は好きです。トウモロコシが自慢。」

あば村の農業公社『グリーン公社』は、毎年『ふるさと便』という、地元の名
産品をセットにした商品を出しておられます。(詳細はこちら)その中に入っ
ているトウモロコシを作っている何人かの内の一人がいとさんです。いとさん
はトウモロコシが自慢。「普通は、何本か製品にならんと返されるのですが、
私は一回も返されたことがありません。」と腰は曲がっていますが胸を張って
言います。「もう歳も取って、今年はやめようかと思いましたが、それでも公
社さんに頼まれたので、もう一年やるかもう一年やるかと続けていたらいつの
間にかこんな歳です。」結局、今年も頑張ってトウモロコシを作ることにしま
した。「あんたさんみたいな若いもんが頑張ってるなら、私も頑張らないと。」
と言ってくれました。トウモロコシ楽しみだなぁ。しかし90歳が現役生産者
なんて素晴らしい。生き甲斐があれば長生きできるんですね。と二人で外でお
話しました。

 

DSC_0322
今でも現役の昔から使っている道具たち。

 

最後に、いとさんのあば村の自慢は?

「綺麗な空気と人情があるのが一番ええとこです。」

 

90歳のおばあちゃんですが、これからまだまだやりたいこともあるそうで。
なんてパワフルなんだろう、やっぱり生き甲斐があるのって大切だなと思い
ました。写真を取られるのは苦手なんですと言いながら、カメラを見ずとも
すごく素敵な笑顔を見せてくれました。

DSC_0323

 

明日もお昼の12時更新
次はどんなお話が聞けるでしょうか、お楽しみに。