2014.5.1 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan
あば村には中央に2車線の広い道路が通り、多くの車はそこを通ります。脇道に入って行くと
だんだん道も細くなってくるので車が通らなくなってきます。それだからか午前中や3時過ぎ
の脇道には、天気の日にたくさんの人が歩く姿が見られます。僕もその時間を狙ってよく外に
飛び出してはいろんな人に出会うのです。今日は、そんな風に出会った人の中で最高齢だった
おばあちゃんをご紹介。
たまたま歩いていたら、長い坂を下ってきた常子さん。あば村の尾所地区と大畑地区を
ぐるっと一周する山道がウォーキングコース。なかなか急な坂道ですが、愛車の手押し
車と共に歩いていきます。「んまぁ、気が向いたら歩くんです。」と、その日の体調や
天気に合わせて外へ出かけます。あばに住んで70年以上(年齢は非公開でお願いします
と言われました)、ほとんど事件なんて起きた記憶がないとのこと。だからこそ、外にも
出やすいのだと言います。「あばはほんに(本当に)平和です。怖いのはクマや獣だけ。」
車も怖い人もいないし、住民さんが見守ってくれてるし、なにかあってもすぐに助けて
くれる。だから高齢になっても外に出られるのだそうです。たしかに地域の見守り意識
はとっても高い。「あばの平和と見守りはむかっし(昔)から変わらないです。みんなが
姿をみたらこうやって話しかけてくれるし、遠くから手を振ってくれる。」と話す常子
さん。「いつも見る人がいないと、逆に私が心配になるくらいです。」と、常子さんも
地域の見守り活動の一員となっていました。
この坂を下ってきた常子さん。もちろん、同じくらい別の道を登っておられます。
なぜか僕のことを旅人だと勘違いした常子さん。(まあ、ある意味旅人みたいなもんか。)
常子さんのまだ若い頃には、遠くの県からあば村へ行商にやってきていた人がたくさん
いたそうです。鳥取や島根の方から、電車を使い、かごを背負って、ぼたんの花や鎌な
どの農機具を売りに来ていました。「行商の人や、山登りの人や、いろんな人があば来
んさったよ。」常子さんのお家は、有名な尾所の桜へ上がる道沿いにあり、いろんな人
がこの道を歩いていくのを見て来たそうです。「たまにおしゃべりなんかしてね。ほん
に良い人ばっかりだった。平和だけん、むかしから良い人が集まってくるのかね。」と
優しい笑顔でお話してくれました。島根からあば村へしゃくなげの花を売りに来ていた
そうです。常子さんの庭や、あば村のいろんなところでちょうどこの時期にしゃくなげ
の花が咲いているのが見られます。僕も島根からしゃくなげ持って来て、またあば村で
みんなに売って回ってみようかな。
最後に、常子さんのあば村の自慢は?
常子さんと歩いていると、1台だけ軽トラとすれ違いました。常子さんの横ではすごく
スピードを落とす運転手さん。何気ないことだけど、こうやっていろんな人が見守り、
思いやって、いろんな人が外で動きやすい環境って大切だなと思いました。これも常子
さんの言う人情に入るのかな。
明日もお昼の12時更新。
次はどんなお話が聞けるでしょか、お楽しみに。