第23村人:南都 みゑさん

2014.4.30 【あばのヒト】 投稿者:bo-kun_chan


 

農耕地の多い中山間地域では、当然農業を営む方が多く、そのほとんどか高齢者です。
あば村でも5月の頭になると田畑の準備に忙しくなってきます。そんな時、よく見られ
るのが、夫婦で一緒に畑へ出る姿。旦那さんだけでなく、そばで必ず奥様が一緒に作業
していたり、見守っていたり。とても微笑ましい風景です。前回紹介した三代治さんの
ところへ行ったときも、実は奥様が一緒に来ておられました。今日はそんな、あば村の
男性を支える素敵な奥様をご紹介。

 

南都 みゑさん

 

みよはるさんのお母さん

 

「急がなくても、ゆっくり出来るときにやればいい。あば村だから。」

この日、あば村は快晴。一日中外で作業するという三代治さんにみゑさんも着いて出て
おられました。土いじりなんてしたことなかったみゑさん、定年後に就農さた旦那さん
の手伝いをするように農業を始めました。あば村では、旦那さんの農作業を手伝うこと
はあたり前のこと、「ついにこの時が来たかと思いましたよ。」とぼそっと一言。です
が、毎年作業する内にだんだんと楽しみになっていました。「家でなにもやることなく
だらだらするのよりは何倍もいい。」と話すみゑさん。旦那さんと二人三脚で育ててい
るリンドウの花が開花するのが毎年楽しみだそうです。「花はね、花束になるでしょ。
あの時が楽しみなんです。」と素敵な笑顔でお話してくれました。
屋外での作業なので、天気や気温で上手く作業が進まないときもあります。そんな時、
いつもみゑさんは、「まあしょうがない」と作業の手を止めます。「別に、絶対に今日
やらなきゃいけないことでもないんだし、また晴れた日にやろうよ。休憩しましょ。」
ゆったりと時間に余裕を見て作業が出来るのも、あば村のような田舎だからこそです。

 

DSC_0165のコピー

作業が上手くいかなかったら、ちょっと座ってお話です。

 

「今ではあば村が好きです。若い人もくればいいのにね。」

みゑさんは、あば村の外から嫁いで来ました。今ではあば村をとっても気に入って生活
しています。最初に驚いたのは、やはり水の綺麗なこと。「当たり前のように、こんな
綺麗な水が流れているなんてびっくりしましたよ。」と、当時の感動はまだ覚えておら
れます。あば村での生活は、不便なことも多かったと言います。道も悪く車もない時代
は最寄り駅まで3kmほど。買い物にすらなかなか出られませんでした。しかし、旦那
さんも定年を過ぎ、農業を始めてから次第にあば村が好きになっていったそうです。
「やっぱり、自然に囲まれて過ごすのはいいことだね。」と話すみゑさん。僕が京都か
ら来たと話すと、「ビルに囲まれてるより、山に囲まれたほうがいいねぇ。」と笑顔で。
そして、せっかくだからもっと若い人にもあば村へ訪れて欲しいという想いもあります。
「こうやって外で仕事してたら、ストレスなんてないよ。若い人は勤めも大変だろうけ
どこうやって一緒に作業出来たら楽しいよね。」そう言いながら、旦那さんの側でずっと
手を休めずに作業しておられました。

 

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もうすぐ開花するリンドウを見に来て、収穫も手伝ってね、と別れ際に言われました。
夫婦で始められたリンドウの栽培。私たちの趣味みたいな物と言っていましたが、どこ
かで若い人が受け継いで行って欲しいという想いも持っているのかもしれません。

 

最後にみゑさんのあば村の自慢は?

「自慢なんてないけど、来たら分かりますよね。いいとこなの。」

 

あば村で新しいことははじめた旦那さんを、ずっと側で支えてきたみゑさん。
笑顔とかわいらしい声が素敵な女性でした。

明日もお昼の12時更新。
次はどんなお話が聞けるでしょうか、お楽しみに。