第８９村人：小林　弘幸さん

2014.9.4　【あばのヒト】　投稿者：bo-kun_chan

今日のあば村、寒いです。どんより厚い雲に覆われ、時折降る小雨に
身震いしながら村内を歩いていました。すると、畑の中でくるくると
回る可愛い風車を発見。近づいてみると、ご夫婦が野良仕事をしてお
られます。いつも二人三脚、お花が大好きで種を集めていたというお
父さんを今日がご紹介します。

小林　弘幸(ひろゆき)さん

「外に出るんが好きでな、まあぼつぼつとです。」

あば村生まれあば村育ちの弘幸さん、今日は昼から雨が降ると聞いて
午前中に畑の横に生えた花の種を採っておられました。そばには奥様
の姿が。「病気して、体も悪くなったんだけど、外に出ないと気が済
まないんです。」とお父さん。いつも見守ってくれるお母さんの姿が
あってこそのことです。「花が好きで、昔からいろんな種類のものを
育てとるんですよ。」と自慢げに語ります。見回すと、家の回りや道
添い、畑の回りに色とりどりの花が咲いています。「８月９月は花盛
りと昔から言うけど、あば村は標高が高いからちょっと早く見頃が終
わるんです。ちょっと前まで遠くからカメラを持って写真を撮りに来
る人もおったんですよ。」杖をつきながら、一つ一つ丁寧に種を採り
ご近所さんにお裾分けするそうです。お花を通して、地域の方とコミ
ュニケーションを計るお父さんが素敵なんです。

お家の回りにもお花がたくさんです。

「昔は百姓仕事も地域で集まってやりよったんで。」

あば村でずっと農業を頑張って来た弘幸さん。仕事の仕方も昔とはだ
いぶ変わってきているそうです。「今は機械が発展して来て、自分の
場所は自分だけでやる農業が主流ですけど、昔はそんなことなかった。
田植えも稲刈りも、地域の人が集まってみんなでやりよった。」特に
お父さんの家あたりは、ご近所さんと言っても少し遠いところにあり
百姓仕事を地域でやらなくなってからは、交流も減ったと言います。
「みんなで仕事した後に、みんなで一杯っていうのが楽しみの一つだ
ったんじゃけどなあ.笑」と冗談めいて話すお父さん、けどどこか寂し
そうです。便利にはなったのかもしれませんが、同時に人間らしさも
薄くなっているのかもしれませんね。けど、大好きなお花は手作業で
一つ一つ大切に管理して行くお父さんの姿にほっこりしました。