あば村宣言

あば村宣言文

岡山県阿波(あば)村は平成の大合併の流れの中、
平成17年に津山市と合併し115年続いた『村』はなくなりました。

合併当時700人だった人口は570人にまで減り、
140年の歴史のある小学校は閉校、幼稚園は休園、
唯一のガソリンスタンドも撤退、行政支所も規模縮小…。
まさに『逆境のデパート』状態となってしまいました。

しかし、このような逆境の中でも未来を切り拓く挑戦が始まっています。
地域住民が設立したNPOは、住民同士の暮らしの支えあいや
環境に配慮した自然農法のお米や野菜づくりに挑戦しています。
閉鎖されたガソリンスタンドは住民出資による合同会社を立ち上げ復活させます。
エネルギーの地産地消を目指し、地元間伐材を燃料にした
温泉薪ボイラーの本格稼動も始まりました。
こうした取り組みの中で地域住民に留まらず、地域外からも協力者や移住してくる
若者も増え始め、私たちは自らの手で新しい村をつくることを決意したのです。

この度、私たちはここに「あば村」を宣言いたします。
自治体としての村はなくなったけれど、新しい自治のかたちとして、

心のふるさととして「あば村」はあり続けます。
周りは山だらけ、入り口は一つしかない「あば村」は不便で何もない場所かもしれません。
しかし、「あば村」には人間らしく生きるための大切なものがたくさんあります。
このあば村の自然と活きづく暮らしを多くの方々と共有し、守り続けていくこと、
そして子どもたち孫たちにこの村での暮らしや風景を受け継いでいくことを決意し、宣言いたします。