田植えが終わって1ヶ月ほど、稲もすくすくと成長し大きくなってきましたね。
夏野菜の植え付けも終わり、芽が出て、早くも収穫できる野菜も出てきました。
それと同時に、鹿が稲を食べてしまったり、カラスが悪さをしたり、何かと野生の生き物たちがやっかいな季節となりました。
日本人は、昔から悪さをする生き物たちを追い払おうと、人型の藁人形を田んぼや畑に立てていました。『かかし』というものですね。十字に組んだ木に、麦藁帽子が定番。顔を描くのは昔々の子どもたちの仕事だったようです。
あば村にも、かかしは立っています。
けど、ちょっと変わったかかしなんです。あば村の中央道沿いにあるお家、山縣さんが作るかかしを見に行きました。
写真の左に映る綺麗な着物の女性が山縣さん….ではなく、山縣さんが作ったかかしです!!
すらっと背の高い、色白、可愛い髪飾りをつけた京美人のような着物の女性です。
ちょっとかかしにしては気合の入れようがすごいです。なぜか傘まで持ってます。
しかし、まだまだこれだけではありませんよ。
なんと、椅子に座ったかかし。三人とも綺麗な服を着て、真ん中の女の子は山縣さん手作りの帽子までかぶっています。
左のかかしには、綺麗にセットされた髪の毛までついています。
畑のど真ん中に、かかしの公園ができていました。ブランコ、すべり台、鉄棒、シーソー。
なんだか、楽しそうに遊ぶ子どもたちの声が聞こえて来るようです。
遊具もすべて竹や木材を使った、山縣さんの手作りです。こんなに楽しそうなかかしは初めてみました。
ちなみに、これは今年の春の新作らしいです。
鍬を持って畑を耕しているおばあちゃんがいると思ったら、それもかかしでした。
奥で種まきをしているような子どももいましたが、やっぱりそれもかかしでした。
その奥の道を颯爽と自転車で走る子どももいましたが、それはさすがに近所の子どもでした。
と、思ったら、畑の中に自転車に乗るかかしがいました。
しかも後ろに子どもを載せています。幼稚園の帰りでしょうか。お母さんもばっちりいい服を着ておめかししています。
山縣さんのかかし、たしかに賑やかで華やかで、野生の生き物対策にはばっちりです。
しかし、それ以上の、もはやアートを感じるかかしたちが今も畑や田んぼを見守ってくれています。
こちらのかかしたちは、あば温泉から南に下ってすぐの場所にあります。
斬新なかかしたちの姿、常に新作をつくり続ける山縣さんの創作意欲。一見の価値ありですよ。
なお、かかしのモデルが女性ばかりなのは、作者が女性物の服しか持っていないからだそうです。
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